新宗教の総本山・関連施設が集まっている土地は色々とありますが、その規模が桁違い!新宗教が一つの都市を奈良県天理市に作りました!その名も天理教。

今回は宗教都市、天理市への旅を茜光院釋尼優知がレポートします。 

天理教について


天理教の歴史は古く、江戸幕末の1838年、教祖である中山みきに神が降り、この世に神が出現した日を立教の日と定めています。 
主に神道、一部仏教の影響も受けながら祈祷やまじないも加えた独自の教えを発展させ、1908年には教派神道として国から公認を受け庶民を中心に信仰を広めました。


はじめての宗教都市 


天理駅に降りたった我々を出迎えてくれたのは「ようこそおかえり」という大きな看板
天理教では生命の発祥の地を「ぢば」と呼んでおり、天理教本部はその「ぢば」を中心に建てられています。
人々がそこに訪れることは故郷に帰ることなので、おぢばがえりと呼ばれ、天理市には至る所に「お帰りなさい」という言葉が掲げられているのです。 

我々が訪れた時期はちょうど子供おぢばがえりというイベントが行われており、駅の周りの建物には天理教のキャラクターの巨大なタペストリーや、カラフルな装飾がされていて、華やかな雰囲気。
そして驚いたのが天理教関係の建物の多さ。宿舎や詰所などが、どの通りの両側にもずらっと並び壮観です。
宗教都市ならではのお出迎えに心を躍らせながら、駅からすぐの大きな商店街へ。 
商店街もまさに天理教一色。
アーケードからは天理教のキャラクターをあしらった垂れ幕が下がり、サイドには無数の天理教の旗。商店街のお店にも天理教のグッズが沢山並びます。
天理教のお神酒を売る酒屋に、天理教の書籍が所狭しと並ぶ書店・・沢山の人で賑わっていますが、みなさん着ているTシャツは天理教のもの。外国からの団体も多く居ます。

興味をそそられるお店がたくさんありますが、お腹も空いたのでとりあえず商店街にある天理スタミナラーメンへ。
(ちなみにこの天理ラーメン、具沢山で濃厚ピリ辛、とても美味!このラーメン目的で天理市を訪れる人も多いようです。)
天理教Tシャツを着た団体に囲まれてアウェー感を存分に感じながらお腹を満たした後は、いよいよ天理協会本部へ向かいます。


天理教教会本部

商店街を抜けると広い通りに出て、正面に巨大な建物が見えます。
これが天理教教会本部(神殿)です。
総檜造りの美しい建物で、歴史を感じさせる佇まい。神殿を中心に東西南北に二階建ての回廊が伸び、四つの礼拝場を結んでいます。
ちなみに天理教本部は普通の神社のように、誰でも出入り自由。これは新宗教では珍しいですね。ちなみに内部の撮影はNGです。

大きな階段の前で靴を脱ぎ礼拝場に上がりますが、まず印象的だったのが掃除が完璧に行き届いている点。
壁の無い半屋外の回廊にも関わらず、床は景色が映り込むほど完璧に磨き上げられ、手すりにも埃一つありません。

内部を進むとその理由がわかります。
天理教では、ひのきしん(日の寄進)という無償の奉仕活動が教えにあり、本殿内ではあちこちで信者がぞうきんがけをしている様子が見られます。
長い廊下ではたくさんの子供達が競争するようにぞうきんがけをしていて、とても活気があります。
私の汚れた家にも是非来て欲しいところですが、ひのきしんは天理教に対する奉仕に限られるようです。

次に本殿の中心の〝ぢば〟へ向かいます。ぢばの囲りはとても広い畳敷きの部屋になっていて、音楽が奏でられ、大勢の信者が正座しながら歌い踊るような手振りを合わせ熱心にお祈りしています。
この手振り、なかなか難しくすぐには真似できません。
ぢばには白い巨大ナットのようなものが据えてあるだけですが、内部の様子も相まって厳粛な雰囲気です。
しばしお祈りの様子を見学し、本殿を後にします。 
外では冷たい麦茶が振舞われていたので、我々も有難く頂きました。

そして、さぁ帰るかというときに突如スピーカーから大音量で流れ出した童謡のようなサイレン
気にせず歩き出すと、、ん!?賑やかだった周りの人が下を向いて完全に静止している!
後で聞いたところ、天理教では毎日14時に教祖殿に向かって拝礼をするそうです。
完全に時間が止まるドッキリに引っ掛かった人状態になってしまいました。

帰りはまた人で溢れる商店街を通り、土産屋などを見つつ帰路へ。
ちなみに天理教法被が欲しかったのですが、使い所が無さ過ぎて迷った末断念、、


おわりに

宗教都市ということで、なんとなく暗い排他的なイメージがありましたが、実際はとても活気があり明るい街でした。
現実離れしていて、まるでどこか違う国に来たような感覚になることができる天理市。結構たくさん見るものがあり楽しめると思います、オススメです!


建築物 ★★★★
規模  ★★★★★ 
教え  ★★☆☆☆ 
独自性 ★★☆☆☆ 
勧誘  未体験のため評価できず
総合点 ★★★★




それでは、良い宗教ライフを!!