比叡山で行われている千日回峰行の一日体験、その名も一日回峰行!今回は私、武徳智天居士1人で参加してきました。
千日回峰行とは比叡山の二大難行のひとつとされている修行で、7年かけて1000回比叡山内のお堂を巡拝する修行です。宗派は違いますが、こちらの番組にてわかりやすく説明されています。
なんとなくヤバそうなことはわかりましたね。それでは体験記をご覧ください。
スケジュールはこんな感じ。
さて、全体説明です。まず、スタッフとなるお坊さんたちの自己紹介の後、皆で般若心経を唱えます。一応、般若心経が印刷された紙が配られるのですが、三分の二以上の参加者は当然のように暗唱していました。ガチ勢の多さに恐怖。
そのあとお坊さんに延暦寺の簡単な歴史と千日回峰行についてざっくりと教えていただきました。特に「一日回峰行はハイキングでなければ体力試しでもありません。各所を拝むことです。」ということが言いたかったようです。
お話が終わったら食事です。食堂に移動してワイワイと精進料理を食べます。
ここで参加者同士自己紹介をしたり寺情報を交換したりします。やはりゴリゴリの寺好きが多く、お遍路を何度も回ったことのある人や一日回峰行に毎回参加している人などガチ勢ばかり。定番(?)のオススメ寺トークでは、新興宗教施設を中心に巡っています!手かざし浄霊サイコー!!なんて言える訳もなく、「な、なりたさん?が良かったです」くらいしか言えず話題に乗り切れませんでした。
食事が終わると再度説明会です。まずは千日回峰行を特集した過去のTV番組を2本見させていただき、そのあと詳しい説明・注意事項を聞きます。
2度目の説明会が終わると1時間の自由時間です。この間に風呂に入り、寝支度を済ませます。延暦寺会館には大浴場があり、とても気持ちよく風呂に入ることができました。
以下のものは備え付けてあるので持ち込み不要でした。フツーの宿泊施設と思えば良いみたいです。
・シャンプー/リンス/ボディソープ
・ボディローション/ヘアリキッド/ヘアトニック
・ドライヤー
・浴衣/フェイスタオル/バスタオル
で、部屋に戻って9時に就寝。というか仮眠。
荷物は部屋に置いていけるので、最小限の物だけリュックに詰めて部屋を出ます。ただし、鍵付きのロッカー等はないので、貴重品は前日にフロントに預けるか回峰行に持っていく必要があります。部屋に鍵もかかりませんし、回峰行参加者以外も宿泊する施設なのでそこらへんは気をつけましょう。
延暦寺会館を出て東塔〜西塔〜横川〜日吉大社〜東塔の順に回ります。各お堂では先達のお坊さんより施設の詳しい説明が聞けます。やはり修行を経験されているお坊さんから聞く説明には深みがありますし、当事者からしか聞けないことがたくさん聞けるのでとても勉強になります。 前回比叡山に来た時には得られなかったような情報がドンドンでてきます。イベントの本質からは外れますが、もうこれだけで参加する価値があるように思います。
あと、重要なポイントでは般若心経を全員で唱えますので、やはり一日回峰行に参加するなら暗唱できるようにしておいた方が良いでしょう。
さて、東塔エリアにいるうちは街灯もあるのですが、山道に入ると真っ暗になるのでライトで足元を照らします。
横川エリアを過ぎるともう山道しかありません。ひたすら登って降りてを繰り返し膝がガクガクになります。お堂も少なくなり心が折れかけます。
そんなこんなで6時頃にふもとの日吉大社に到着。隣の律院にて千日回峰行満行者である叡南俊照大阿闍梨からお話を聞きました。 「たとえ今回が一日の回峰行だとしても、この一日は大変素晴らしいものである。千日回峰行も一日一日の積み重ねの上に成り立っており、決してその一日を軽んじてはいけない。」とおっしゃっていました。千日回峰行満行者から聞くとなんか説得力がある気がします。同じく千日回峰行を満行された酒井雄哉大阿闍梨の言う「一日一生」と通じるものがあるかもしれません。
で、ここきにて本日最初の食事(おにぎり二つとペットボトルのお茶)をいただいたら、また山を登ります。開始から5時間ほどが経過していますが、むしろここからが本番です。
ここからのコースはひたすら登り!急斜面も多く足場も悪いので本当に疲れます。何度も途中で辞めようかと迷いました。しかし、若者の私が休むわけにもいかず、周りのおじさん達に励まされながらなんとか登りきりました。
実は私、学生時代にスポーツで膝を壊しており、今回の一日回峰行は終始膝の痛みとの戦いでした。もちろん距離を重ねるにつれて段々と痛みが増すのですが、痛み・体力の限界を一度超えると痛みが全然気にならなくなりました。決して痛みが消えて無くなるわけではないし、痛みが増してきている事も頭では分かるのですが、「そんな事はどうでも良い」という気持ちになります。これは精神が鍛えられているとかいうやつじゃね、、、?と思ったりしました。
ですが、最後に先達のお坊さんより「お疲れ様でした。しかし、この行は各お堂を参拝することが目的で、山歩きは本質ではありません。」と再度の念押しをいただきました。なるほど、まだまだ修行不足。南無三。
その後は延暦寺会館の大浴場にて琵琶湖を一望しながら汗を流します。
この日が私のこれまでの人生で一番頑張った一日となりました。これから困難に出くわした時は、この一日回峰行を思い出して乗り越えられるようにと思い、記念に数珠を購入しました。
それでは、良い宗教ライフを!
千日回峰行とは比叡山の二大難行のひとつとされている修行で、7年かけて1000回比叡山内のお堂を巡拝する修行です。宗派は違いますが、こちらの番組にてわかりやすく説明されています。
なんとなくヤバそうなことはわかりましたね。それでは体験記をご覧ください。
申し込み
一日回峰行は完全予約制なのでネットから用紙をダウンロードして申し込みを行います。すると葉書が送られてくるので当日はそれを持って延暦寺に行きましょう。葉書には、懐中電灯を持参のうえ動きやすい服装で来てくださいと書いてあるだけでこの辺は割と不親切です。初日、受付〜仮眠
16:30に宿泊場所となる延暦寺会館へ行き、受付を済ませます。そこでスケジュール表などを受け取ったら全体説明が始まるまで宿泊する大部屋にて待機です。スケジュールはこんな感じ。
さて、全体説明です。まず、スタッフとなるお坊さんたちの自己紹介の後、皆で般若心経を唱えます。一応、般若心経が印刷された紙が配られるのですが、三分の二以上の参加者は当然のように暗唱していました。ガチ勢の多さに恐怖。
そのあとお坊さんに延暦寺の簡単な歴史と千日回峰行についてざっくりと教えていただきました。特に「一日回峰行はハイキングでなければ体力試しでもありません。各所を拝むことです。」ということが言いたかったようです。
お話が終わったら食事です。食堂に移動してワイワイと精進料理を食べます。
ここで参加者同士自己紹介をしたり寺情報を交換したりします。やはりゴリゴリの寺好きが多く、お遍路を何度も回ったことのある人や一日回峰行に毎回参加している人などガチ勢ばかり。定番(?)のオススメ寺トークでは、新興宗教施設を中心に巡っています!手かざし浄霊サイコー!!なんて言える訳もなく、「な、なりたさん?が良かったです」くらいしか言えず話題に乗り切れませんでした。
食事が終わると再度説明会です。まずは千日回峰行を特集した過去のTV番組を2本見させていただき、そのあと詳しい説明・注意事項を聞きます。
2度目の説明会が終わると1時間の自由時間です。この間に風呂に入り、寝支度を済ませます。延暦寺会館には大浴場があり、とても気持ちよく風呂に入ることができました。
以下のものは備え付けてあるので持ち込み不要でした。フツーの宿泊施設と思えば良いみたいです。
・シャンプー/リンス/ボディソープ
・ボディローション/ヘアリキッド/ヘアトニック
・ドライヤー
・浴衣/フェイスタオル/バスタオル
で、部屋に戻って9時に就寝。というか仮眠。
回峰行(翌日1:00〜)
比叡山の朝は早い。1:50集合なのですが、だいたい皆さん1:00に起き始めます。周りに声をかけてみるとしっかり寝られた人は少ないみたいでした。しかし何故か皆さん元気!荷物は部屋に置いていけるので、最小限の物だけリュックに詰めて部屋を出ます。ただし、鍵付きのロッカー等はないので、貴重品は前日にフロントに預けるか回峰行に持っていく必要があります。部屋に鍵もかかりませんし、回峰行参加者以外も宿泊する施設なのでそこらへんは気をつけましょう。
延暦寺会館を出て東塔〜西塔〜横川〜日吉大社〜東塔の順に回ります。各お堂では先達のお坊さんより施設の詳しい説明が聞けます。やはり修行を経験されているお坊さんから聞く説明には深みがありますし、当事者からしか聞けないことがたくさん聞けるのでとても勉強になります。 前回比叡山に来た時には得られなかったような情報がドンドンでてきます。イベントの本質からは外れますが、もうこれだけで参加する価値があるように思います。
あと、重要なポイントでは般若心経を全員で唱えますので、やはり一日回峰行に参加するなら暗唱できるようにしておいた方が良いでしょう。
さて、東塔エリアにいるうちは街灯もあるのですが、山道に入ると真っ暗になるのでライトで足元を照らします。
横川エリアを過ぎるともう山道しかありません。ひたすら登って降りてを繰り返し膝がガクガクになります。お堂も少なくなり心が折れかけます。
そんなこんなで6時頃にふもとの日吉大社に到着。隣の律院にて千日回峰行満行者である叡南俊照大阿闍梨からお話を聞きました。 「たとえ今回が一日の回峰行だとしても、この一日は大変素晴らしいものである。千日回峰行も一日一日の積み重ねの上に成り立っており、決してその一日を軽んじてはいけない。」とおっしゃっていました。千日回峰行満行者から聞くとなんか説得力がある気がします。同じく千日回峰行を満行された酒井雄哉大阿闍梨の言う「一日一生」と通じるものがあるかもしれません。
で、ここきにて本日最初の食事(おにぎり二つとペットボトルのお茶)をいただいたら、また山を登ります。開始から5時間ほどが経過していますが、むしろここからが本番です。
ここからのコースはひたすら登り!急斜面も多く足場も悪いので本当に疲れます。何度も途中で辞めようかと迷いました。しかし、若者の私が休むわけにもいかず、周りのおじさん達に励まされながらなんとか登りきりました。
実は私、学生時代にスポーツで膝を壊しており、今回の一日回峰行は終始膝の痛みとの戦いでした。もちろん距離を重ねるにつれて段々と痛みが増すのですが、痛み・体力の限界を一度超えると痛みが全然気にならなくなりました。決して痛みが消えて無くなるわけではないし、痛みが増してきている事も頭では分かるのですが、「そんな事はどうでも良い」という気持ちになります。これは精神が鍛えられているとかいうやつじゃね、、、?と思ったりしました。
ですが、最後に先達のお坊さんより「お疲れ様でした。しかし、この行は各お堂を参拝することが目的で、山歩きは本質ではありません。」と再度の念押しをいただきました。なるほど、まだまだ修行不足。南無三。
その後は延暦寺会館の大浴場にて琵琶湖を一望しながら汗を流します。
この日が私のこれまでの人生で一番頑張った一日となりました。これから困難に出くわした時は、この一日回峰行を思い出して乗り越えられるようにと思い、記念に数珠を購入しました。
おわりに
一日回峰行を満行したことですし、これからはタケ小阿闍梨と呼んでもらって構いません。それでは、良い宗教ライフを!
コメント
コメント一覧 (3)
そして、このブログは仏教徒にとって大変重要な情報源ですので、一日回峰行の際は参加者の皆様に是非とも周知ください。
2019/9/29付けで「千日回峰」の記事投稿
しています。つたない記事ですが、もし、ご参考にしていただければ幸いです。